ポラリス

ポラリスデイサービスセンターをご利用いただいている方々に
お話しを聞かせていただきました。

ここでお世話になることになったのは、確か去年の12月頃だったかしら。それまでは息子がすすめてくれた他のデイサービスに1年ほど通っていました。そこではお風呂に入れてもらったり、ごはんを食べたり、みんなでお昼寝をしたりして過ごしていたんだけど、身体を動かすようなことはあまりなくてね。いつも座っている定位置があって、施設にいる間はほとんどの時間をそこで過ごしていました。だけど、そうしているうちに肩が痛むようになってきてね。立ったり座ったりするときの膝の痛みもだんだんひどくなって、いつの間にか足をかばって歩く癖がついてしまいました。でもまぁ、私としてももうそんなに若くはないんだから仕方ないと思って、痛みを我慢する生活をしていたんです。そんな私の様子を心配した息子に突然連れられて来たのが、ポラリスでした。


ここへ来た当時のことは、今でもはっきり覚えていますよ。一度は津波で流されたこの町にぽつりと現れた真新しい建物の中に入ると、私と同世代か、それよりもずっとお若い方がたくさんいてね。そこにずらーっと並べられた立派な機械を交代で使いながら運動をしていました。その時はまさか私がこんなに大きな機械に乗って運動をするなんてとても想像できなくてね。身体が痛いから今まで運動を避けてきたのに、また痛みが悪化してしまうんじゃないかと思うと“怖い”という気持ちでいっぱいになりました。スタッフの方から一通りパワーリハについて説明を受けても、やっぱりその不安は消えなくてね。この歳にもなると、何か新しいことに一からチャレンジするのはものすごく勇気がいることなんですよ。ただ、やってみなくちゃわからないと息子に促されたこともあって、ひとまず体験してみることにしました。

ポラリスに出会うまで、私は「パワーリハ」なんて言葉を聞いたことがなくてね。きっと息があがるほど運動させられるんだろうと思っていたものだから、覚悟してリハビリに臨みましたよ。ところがね、いざパワーリハをはじめてみると痛みを感じるどころか、身体中がぽかぽか温まってきて、運動を終えた頃にはすかーっと気持ちが晴れたように身体が軽くなってね。そこからころっと気持ちが変わったんです。痛みを気にして過ごす習慣も少しずつ消えて、おかげさまで今は足元もずいぶんしっかりしてきました。それまでは自分の部屋の中でさえ転んでしまうこともあったほどですから、家族も驚いていましたね。


あとね、前よりもごはんがおいしいと感じるようにもなりましたよ。息子にも「母さんが一番食いしん坊だ!」なんて言われちゃって(笑)。私が今こうして諦めていたことや、忘れかけていたことに気づけたのは、ポラリスさんに出会えたおかげなんです。

今はおかげさまで洗濯をしたり、掃除をしたり、身のまわりのことはずいぶん自分でできるようになりました。そりゃあ、昔と比べてしまえばできないことも増えたし、外出も少しずつ減ってしまったけれど、私は何もこの先に大きな夢や目標があるわけではないんです。やさしい家族に囲まれて、ここにいるお友達とおしゃべりをして、趣味の折り紙を楽しんで…。今の暮らしを長くつづけられることが、いちばん幸せなことなんですよ。だからこれからも、自分の足でしっかりと歩いていられるようにパワーリハをつづけていきたいですね。ポラリスさんに通いつづけることで、元気に歳を重ねていけるよう頑張ります。



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